鍵のおはなし


自然が最後にはすべてをつつみこむ。

そこでは壊れたものも、捨てられたものも、争いも全部土に還って、動物たちだけが
なにごともなかったように暮らしている。

「だから鍵がたくさん落ちている」

鍵は、人間の文明を象徴するものです。
家、金庫、扉、所有物……すべて人間が何かを区切り、守るための道具です。

でも、森が地球を取り戻した未来では、
その扉も、家も、持ち主も、もういません。

だから鍵だけが役目を終えて、森の中に落ちています。

小さな旅人たちは、ときどき古い鍵を拾います。でも、それが何を開けるものだったのかは誰も知りません。
錆びているものほど貴重とされています。





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